
参議院議員会館で12月10日、中国の臓器移植問題をテーマにした映画『国家の臓器』の上映会(主催:新唐人テレビ)が開催された。挨拶した北村晴男参議院議員は、中国で組織的に行われているとされる臓器狩りを「殺人罪や強盗殺人に相当」と位置づけた。さらに、乳幼児の臓器が大人に移植されているとの人道問題の報告についても触れ、日本人が中国への移植ツアーに参加することを禁じる法律の必要性を強調した。
映画『国家の臓器』は、カナダの監督・章勇進氏が7年にわたり制作した75分間の作品。マイノリティを狙った中国共産党による大規模な強制臓器摘出の実態を、被害者家族や専門家、元軍医ら30以上のインタビューなどを通じて描いた。チベットの焼身自殺や新疆ウイグル自治区における強制収容所での人道問題なども触れる。国際映画祭で複数受賞し、台湾や韓国などで2024年から上映されている。
弁護士である北村議員は、当局が臓器を本人の同意なく摘出するのは、「傷害罪や殺人罪に該当し、さらには(移植臓器の)経済的価値から強盗殺人にもあたる」とした。中国側はこれを否定するが、有効な反論はない。数多くの証拠や関係者の証言から「有罪認定される事案だ」との見方を示した。特に、当局が調査を拒否する姿勢から「入り口から全て断る意図がある」と疑念を呈した。
日本への影響についても触れ、「経済的に強い結びつきがある隣国として、手足を縛られている」と指摘。政治家の中には「関わったら危ない」と避ける者も多く、メディアは中国からの圧力やスポンサー企業への影響を恐れ、沈黙を守っていると批判した。また、法輪功信仰者やウイグル人などの被害者に対しては、「命がけの活動に敬意を表する」とメッセージを送った。
新生児臓器移植の恐怖
北村氏は、映画に描かれていない問題と前置きした上で、中国では新生児や乳児の臓器を大人に移植するとの報告の存在を指摘。これは、国際人権団体「追查国際」の調査報告で指摘されている。
報告は、臓器供給のための「赤ちゃん工場」疑惑を指摘する。同団体が取り上げた中国共産党関係者からの情報によると、女性を違法に連行・買収し、人工授精で血縁のある赤ちゃんを育成。早産を強要し、手術台で臓器を摘出するケースがあるという。
こうした事態について、海外で妊娠・出産事例が発覚すれば摘発できるものの、中国国内で永久に隠蔽される可能性を指摘。北村氏は、人道犯罪のリスクを孕む中国への渡航移植ツアーに参加することを禁じる法律の必要性を説いた。
「例え難い恐ろしさ」
議員会館には問題に関心を寄せる多くの観客が訪れた。
韓国で中国共産党による政治的圧力を目の当たりにしたという50代の女性は、「臓器狩り」について「人道を踏みにじり、信仰弾圧でもある、例え難い恐ろしさ」と述べた。
かつて中国で商売を行っていたという70代男性は、共産主義体制では誰しもが犠牲になりうると指摘。外国資本の投資によって、弾圧資金に投じられていると語りつつ、現役世代の日本のビジネスパーソンにも臓器移植問題を認知し、リスクを考えるよう警鐘を鳴らした。