
米国政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)中国語版は2月20日、中国における臓器移植をめぐる人権問題を取り上げ、新著を出版したジャーナリストのヤン・エキレック氏(Jan Jekielek)に対するインタビューを公開した。
同氏は中国共産党(以下、中共)による強制臓器摘取が個別事例ではなく、国家が関与する組織的な体系の下で行われているとの見解を示した。
エキレック氏が出版した新著のタイトルは『オーダーメイドの殺戮 中国の臓器収奪産業と米国最大の敵の本質』(Killed to Order: China’s Organ Harvesting Industry & the True Nature of America’s Biggest Adversary)。同書は、2006年以降の約20年にわたる独立研究、医療文献の分析、証人証言を集約したものだという。
同氏によると、臓器移植の「需要に応じた殺害」体系が機能するには、国家による大規模な強制力、特定集団の非人間化を目的とした宣伝活動、および大量拘禁の能力が不可欠であるとし、中共が1999年から法輪功修煉者に対して実施した弾圧がその典型例であると述べた。
同氏は、中共の公式発表数字に対して疑問を呈するとともに、独立した病院調査や医療文献の分析をもとに、2000年代後半の時点で年間6万から9万件の臓器移植手術が行われていたと推計した。
また、法学者らの共同研究として、中国で発表された2000件以上の移植関連論文のうち約70件に、死後摘取の原則に違反する記述が含まれていたことを指摘した。エキレック氏はこれを「公開された研究文献の中に、当事者が本人の死因として臓器摘取を記載していた証拠」と位置づけた。
中共の「2015年改革」の信ぴょう性に疑問
北京当局は2015年に死刑囚からの臓器使用を全廃し、自発的な提供制度に移行したと表明しているが、エキレック氏はこれを否定する根拠として、ロバートソン氏の研究を挙げた。同研究は、臓器移植登録体系のデータが完全な二次方程式のパターンを示しており、人為的に数値が作成されたことを強く示唆すると指摘している。
同氏はこの問題が人権問題にとどまらず、国家安全保障にも直接関わると強調した。米国が中国の移植外科医を訓練し、関連医療機関との間で技術協力を行ってきた事実を挙げ、軍民融合政策との関連でその安全保障上の影響を警告した。 中国政府はこれまで強制臓器摘取の指摘を繰り返し否定し、「国際基準に適合している」との立場を維持している。

