私ども3名は「中国における臓器移植を考える会」(別称SMGネットワーク – Stop Medical Genocideの頭文字)の発足式を支援するために来日しました。同会の発足式が1月23日に参議院議員会館で行われました。この団体名が示す通り、移植を通して中国では医療殺人が行われています。無実の人々が臓器のために大量に殺害されています。・・・・

三人の意見記事

(2018年1月、日本出発前に三人のスピーカーが共同作成した意見記事)

 

ストップ・メディカル・ジェノサイド

デービッド・マタス      デービッド・キルガー      ジェイ・ラヴィー

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SMG設立記念記者会見の様子
(左から)デービッド・キルガー
ジェイ・ラヴィー デービッド・マタス
(2018年1月 24日 日本外国特派員協会で)

 私ども3名は「中国における臓器移植を考える会」(別称SMGネットワーク – Stop Medical Genocideの頭文字)の発足式を支援するために来日しました。同会の発足式が1月23日に参議院議員会館で行われました。

 この団体名が示す通り、移植を通して中国では医療殺人が行われています。無実の人々が臓器のために大量に殺害されています。主に精神修養の気功である法輪功の学習者ですが、チベット人、ウイグル人、中国家庭教会も含まれます。日本ができることは数多くあります。

 中国での人権侵害を止めることができるのは中国以外ありません。しかし、日本が中国での臓器移植濫用に加担することを避けるための措置を設けることは、日本の手にかかっています。

 日本には移植濫用を厳禁する法律があります。しかし国外での効力がありません。日本国内で無実の者を殺害した者は起訴されます。中国で臓器のために殺害された無実の人の臓器を日本の患者が受けることを計らう仲介者は、中国国内でも日本国内でも起訴されません。このような起訴を可能にするために法律を改訂する必要があります。

 このような法律が実践されるには、まず、医療専門医が日本の保健制度に対して移植ツーリズムを告知する義務を設けるべきです。現在、日本から中国への移植ツーリズムに関する情報は事例証拠(風聞的な証拠)とアンケート調査によるものに過ぎず、日本政府からの数字はありません。

 二番目に保険の問題があります。現在日本では、中国での渡航移植に給付する可能性のある先進医療保険に加入できます。また政府は昨年12月に渡航移植の手術代・入院費に対して、日本での移植手術費相当の金額を給付すると発表しました。中国への移植ツーリズムを財務的に助長することを防ぐ法律と政策の導入が求められます。

 三番目に日本は中国の移植医との協力を防ぐべきです。共同研究、交換留学、客員としての講義、出版、資金提供などは、中国が自国の移植に関する行為を浄化するまで控えるべきです。医療倫理基準および法規(移民法を含む)により規制することが可能です。

 中国共産党/中国政府は自己の行為は認めず、隠蔽し、事実を曲解し、証拠を消し、批判は抑え込みます。中国での移植は疑いなく倫理基準に達していると納得できるまで、日本は中国の移植産業とは一切関わるべきではありません。

 四番目に、日本は現在の低い臓器提供率を引き上げるための大幅な措置が必要です。イスラエルの臓器移植法に、最低3年間ドナー登録をした患者には臓器の割当を優先する条項が盛り込まれたことで、ドナー数が倍増しました。日本も同様の法律を考慮すべきです。

 この一方で、勧告しない措置もあります。第一に、移植ツーリズムに参加した患者を起訴することは勧めません。仲介者、広報者、口利きするもの、紹介に従事するものを対象に取り締まるべきです。

 第二に、最悪の状況であっても、国外で移植を受けた者に対する術後の診療を否定することには反対します。医療を必要とするものは受けるべきです。

 第三に、中国での臓器濫用への協力を防ぐための法律・政策には中国を明記する必要はなく、明記するべきでもありません。我々が認識している法の隙間は、一般的な基準におけるものです。問題は中国にありますが、全体的な解決をはかるべきです。

 新しい会にはホームページ smgnet.org があり、働きかけもしています。全ての人がこのサイトに行き、この問題について学び、働きかけに参加するよう呼びかけます。

 日本は移植技術を含めて多くの分野で世界をリードしています。しかし、中国での臓器移植濫用との協力を撲滅する点に関しては、日本はかなり遅れています。この状況は変革されるべきです。


デービッド・マタスはカナダのウィニペグを拠点とする国際的な人権擁護弁護士。
デービッド・キルガーはオタワのカナダ政府の元閣僚。両者は、報告書と書籍を共著。また、アメリカ人ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏と『中国での臓器のための良心の囚人の殺害に関する最新報告書 2016年』を共同で発表。
ジェイ・ラヴィーはテルアビブを拠点とする心臓外科医。イスラエルから中国への移植ツーリズムを取り締まるイスラエル法の導入の媒介となった。

英語原文