「人が悪魔になれば、誰でも傷つけられる」 映画『国家の臓器』論壇

 2026年国際ロータリー年次大会(6月13〜17日、台北)の期間中、強制臓器摘出の終結を目指す国際ロータリー衛星クラブは、ドキュメンタリー映画『国有器官(State Organs、国家の臓器)』の上映会と専門家論壇を複数回開催した。会場には140を超える国・地域からロータリー会員や専門家が集まり、製作者や人権専門家が登壇して強制臓器摘出の実態を告発。各国の精鋭から強い反響を呼んだ。同会は協力団体として一般社団法人中国における臓器移植を考える会(SMGネットワーク)も名を連ねる。

製作者「人が悪魔になれば、誰でも傷つけられる」

 同作の製作者である宋美馨(Cindy Song)氏は論壇で、「大規模な強制臓器摘出は、2000年に中国共産党が法輪功への大規模な迫害を始めたことに端を発する」と指摘した。20年以上に及ぶ過程で「中国の医師たちは基本的な医療倫理を失い、人が悪魔と化した」とし、「人が悪魔になれば、誰であっても傷つけることができる。彼らにとって人命はもはや価値を持たない。対象は法輪功にとどまらず、誰もが傷つけられ得る。このような社会は、誰にとっても安全ではない」と訴えた。

 約50の国際的な賞を受けた同作は、共産全体主義の迫害下で起きた実際の出来事を記録する。信仰を理由に2人の若者が警察に不法に拘束され、そのまま行方不明となる。肉親を捜す過程で、政府が主導し、警察・検察・裁判所・病院・軍が連携して人体の臓器を摘出し利益を得る「産業の連鎖」が次第に明らかになる。

専門家「約4,000人が中国で移植」 移植の早さは警告信号

 17日の論壇では、台湾国際臓器移植ケア協会副理事長の黄士維氏が、これまで約4,000人の台湾人が中国で臓器移植を受けたとされると指摘し、その背後に「汚れた利益の連鎖」があると警鐘を鳴らした。

 論壇の司会を務めた国際ロータリー反奴隷行動グループ副会長のアメリア・スタンセル氏は、「人権は政治ではなく、生死の問題だ」と強調した。通常2〜3年を要する移植が1〜2週間で手配される場合は警戒すべきだと指摘し、「ニュースで取り上げ、友人に伝え、SNSで広めて、より多くの人に知らせる必要がある。将来移植を受ける可能性のある人に、その臓器がどのように得られたのかを知ってもらわなければならない」と述べた。

各国の精鋭「国際社会は圧力を」

 カナダのロータリー会員サビーナ・テイラー氏は、「生きた人間から臓器を摘出するなどということが、現に行われている。しかも、それに加担する者がおり、問題ないと考えている。人間が同じ人間にこのようなことをできるとは、到底理解できない」と語った。テイラー氏はさらに、「この事実はすでに広く知られている。道徳的価値を重んじる民主主義国家の政府は、中共に対し、このようなことは許されず、直ちに止めるべきだと表明すべきだ」と国際社会の対応を求めた。

 コロンビアのロータリー会員オスカル・ヨバニー・アチカノイ氏は「この映画は強く印象に残った。私たちの生活に直接関わり、人権は極めて重要だからだ」と述べた。南アフリカの研究者レイネット・ガウス博士は「極めて衝撃的だ。こうした事実をまったく知らなかった。今日なお世界でこのようなことが起きていることに、深い悲しみを覚える」と語った。

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