一般社団法人中国における臓器移植を考える会(SMGネットワーク)は、台湾国際臓器移植関懐協会(TAICOT)と共同で、9月10日から12日に都内で開かれた第62回日本移植学会総会にブース出展し、臓器移植法の改正を来場者に訴えました。医師や地方議員からは、ドナー不足や病院の採算問題、また違法な渡航移植への対策推進を望む声が上がりました。
総会には約2000人が参加しました。ブースでは、台湾の法改正後に海外で移植を受ける患者がどう増減したかに関心を示す来場者が多くいました。また、中国の待機期間の短さを知って驚く来場者もいました。
湘南鎌倉総合病院移植外科部長の大久保恵太医師が登壇し、日本の移植医療の推進と環境改善、米国でのトレーニングについて講演しました。
SMGの出展に関心を寄せられた専門家、議員に話を伺いました。
移植支援を行う国際移植者組織「トリオジャパン」会長の青山竜馬氏は、最近NPO法人代表らが違法な移植あっせんで逮捕された事件について「厳罰化されない限り、また起きる」と指摘。同時に、あっせん業者に頼らざるを得なかった患者の救済も考えるべきだとしました。さらに、移植を手がけるほど病院経営が苦しくなる面があるとして、政治と行政の支援を求めました。
日本移植者スポーツ協会理事の石塚浩司氏は、ドナー不足に加え、移植を行う病院への対価が少ない点を課題に挙げました。法改正でこれを解決できれば、多額の医療費がかかる透析患者も、腎臓移植によって社会で活躍できるようになると述べ、国会での議論に期待を示しました。
東京都狛江市議会の辻村智子議員(自民党)は、違法な臓器移植を目的とした医療ツーリズムをやめるよう求める意見書を市議会で可決させたと報告。一つしかない命から無理やり臓器を取り、売買する不当な医療ツーリズムは、政治が止めなければならないと考えたということです。さらに、「日台が手を組み、移植ツーリズムで奪われる命に法律で歯止めをかけたい」と語り、今後も共に取り組む考えを示しました。
出展を共催したTAICOTの黄千峯医師は、「台日友好は、単なる交流にとどまらず、共通の医療課題に共に立ち向かうことでもある」と述べ、総会参加に際して次のように報告しました。
「今回、日本移植医学年会に参加し、台湾が2015年の法改正以降、違法な海外移植をいかに防ぎ、帰国後の通報メカニズムを確立したかを共有しました。また、台日両地の司法案件から、臓器仲介と移植ツーリズムの深刻な課題を目の当たりにしました。台湾の経験が日本の法改正の参考となり、日台の医療と立法の協力がさらに進むことを期待しています。今後、この日本訪問での医療交流の現場についても引き続き共有していきます」
SMGネットワークは今後も、あらゆる機会を通じて、不正な渡航移植問題に邦人が巻き込まれぬよう啓発活動を続けてまいります。ご支援の程よろしくお願いいたします。



