米国下院は5月5日、中国共産党による法輪功学習者への迫害と強制臓器摘出に対して制裁を課す「法輪功保護法案」(Falun Gong Protection Act)を可決しました。
法案提出者のスコット・ペリー下院議員(ペンシルベニア州・共和党)は投票前の演説で、「この野蛮な行為は止めなければならない、直ちに止めなければならない」と主張しました。
法案の意義
ペリー議員は法案について「これは米国議会が初めて、法輪功学習者への迫害と強制臓器摘出に関わる人々に対して法的制裁を行うという拘束力のある公約を行う画期的な一歩だ」と述べました。
H.R.1540法案とも呼ばれるこの「法輪功保護法案」は、ペリー議員が前国会でも提出し、2024年6月に一度下院を通過していましたが、今国会で再度提出され、再び可決されました。
同法案は、中国の強制臓器摘出に参加または促進する人物に制裁を課し、国務長官に対して中国共産党の法輪功迫害が「人道に対する罪」または「ジェノサイド」に該当するかを判断するよう指示しています。 また、中国共産党の臓器移植政策と実践に関する報告も求めています。
さらに、「中国共産党が強制臓器移植産業を続ける限り、中共との協力を避ける」ことを米国の政策として明確に定めています。
法輪功迫害の実態
ペリー議員は演説で、「法輪功は真・善・忍を原則とする精神修養法である。1999年には約7000万人が法輪功を修練しており、これは中国人口の5%から7%に相当した」と説明しました。
「法輪功の人気の高さが、中国共産党による残酷な対応を引き起こした。違法な拘束、強制労働、拷問、そして最も恐ろしいのは強制臓器摘出であり、これは大量虐殺に等しい」
2020年に設立された独立調査委員会は、中国で行われている臓器移植の数と登録されたドナーの数の間に「理解しがたい隔たり」があることを指摘しています。この調査結果によれば、法輪功学習者が中国での強制臓器摘出の主な対象となっています。
超党派の支持
下院外交委員会委員長のブライアン・マスト議員(フロリダ州・共和党)は、「この法案は、米国が迫害された人々から利益を得るための国家主導の暴力を決して容認しないという明確なメッセージを送るものだ」と述べ、議員らに「この法案への強い支持」を求めました。
両党の議員たちもこの法案を支持しています。テネシー州共和党のアンディ・オグルス議員は、「中国共産党は国家主導の邪悪な運動の中で、法輪功学習者を追跡し、拷問や投獄、そして強制的に臓器を摘出している」と述べ、「ペリー議員のこの法案を共同提出できることを誇りに思う」と述べました。
ニューヨーク州民主党のパット・ライアン議員は、「この取り組みが超党派で広く支持されていることを誇りに思う」と述べ、「臓器売買者の犯罪行為の責任を追及するために全力を尽くしている」と述べました。
ウィスコンシン州共和党のトム・ティファニー議員は、「中国共産党による法輪功学習者への迫害、拷問や強制臓器摘出は極めて野蛮だ。米国はこうした暴虐を絶対に容認できない」と述べました。
サウスカロライナ州共和党のジョー・ウィルソン議員は、「この法案は、中国共産党による法輪功学習者に対する残忍な弾圧に対して、正義と責任追及への一歩を示すものだ」と述べました。
法案は下院通過後、上院での投票に進み、可決された場合は大統領の署名を待って発効します。