米移植学会誌において、中国で臓器摘出が脳死前に行われている証拠を示した論文が発表

米国移植学会誌(American Journal of Transplantation)で、「Execution by organ procurement: Breaching the dead donor rule in China(臓器調達による処刑:中国における死亡したドナーに関するルール違反)」と題する論文が掲載されました。
中国の公式記録では、手術前の囚人は脳死状態であるとされていますが、それはありえないことであると、研究者は話しています。
この論文は、イスラエルの心臓移植外科医のジェイコブ・ラビー氏とオーストラリア国立大学博士課程のマシュー・ロバートソン氏によるもので、移植について書かれた数千の中国語の論文を詳細に分析したものです。その結果、脳死宣告前に臓器を摘出していることが記述されている論文が71あることを発見しました。
ロバートソン氏とラヴィー氏は、71の論文のそれぞれに「証拠となる文章」を丹念に記録し、臓器摘出の処置が始まる前に脳死が起こっていないことを示しました。つまり、移植医によって臓器摘出が行われる過程で、処刑が行われていることを示しています。
ニューヨーク大学グロスマン医学部の医療倫理学部長であるアーサー・キャプラン博士は、「甚大な人権侵害に注意を喚起するものである」「彼らが報告したことは、何年も何年も続いているのです。このデータは、中国が死体臓器提供者の数より多くの移植を行っていることを明確に示しています」と話しています。
研究者のロバートソン氏は「これまで、中国の医療関係者がドナーの処刑に関与しているという問題は、それほど深刻に受け止められてこなかったと思います」「この分野の主要な雑誌にこの論文が掲載されたことで、この状況が変わっていくことを期待しています」と述べています。
関連リンク:
【今回の論文】Execution by organ procurement: Breaching the dead donor rule in China ※英語
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ajt.16969
【ETAC】医師が臓器摘出により「ドナー」を殺害 ― 米国移植学会誌発表の調査報告
http://jp.endtransplantabuse.org/archives/42628
【WebMed】Researchers Discover Harvesting of Organs Before Brain Death in China
※医療系メディア 英語
https://www.webmd.com/brain/news/20220408/chinese-harvesting-of-organs-before-brain-death
【Newyork Post】Researchers claim Chinese surgeons are cutting out prisoners’ hearts while they’re ‘still alive’
※英語
【Daily Mail】Chinese surgeons removed the hearts and lungs of death row inmates while they were still ALIVE, study claims
※英語