6月9日の参議院厚生労働委員会において、自民党の山田宏議員は、中国における不透明な臓器移植問題と、それに対する我が国の規制の在り方について質疑を行いました。山田議員がこの問題を国会で取り上げるのは今回で2度目となります。
中国における「オンデマンド」移植の実態
山田議員は、中国での臓器移植が2000年前後を境に急増し、1999年からの7年間で増加率が180倍を超えた異常なデータを提示しました。中国政府は臓器の90%が死刑囚由来であると説明していますが、国際人権NGOの報告では、年間の死刑執行数(約1,000件)に対し、移植件数は1万件以上に達するという大きな乖離が指摘されています。
この背景として、法輪功学習者やウイグル人といった「良心の囚人」からの強制的な臓器摘出、いわゆる「臓器狩り」の疑いが国際社会で厳しく批判されています。
山田議員は、通常なら数年待つべき移植が、中国では渡航後わずか2週間から1ヶ月以内に行われる「オンデマンド」な実態を挙げ、事前にドナーが確保されている恐怖のシステムを告発しました。
日本の公的保険が「国家犯罪」に利用され
厚労省の調査によれば、海外で移植を受けた日本人543名のうち、約3割にあたる175名が中国で手術を受けていました。現在、こうした不透明なルートで移植を受けた患者の帰国後のアフターケア(免疫抑制剤の処方等)にも、日本の公的医療保険が適用されています。
山田議員は、これが結果として「中国の国家犯罪に日本の公的資金が間接的に加担している」という倫理的懸念を招いていると強く主張しました。
国際水準の法整備と再生医療への期待
台湾や欧米諸国では、不透明な海外移植を抑制するための法整備が進んでおり、関与した医師の免許取り消しや刑事罰を課す国も増えています。
これに対し日本は、臓器売買の禁止規定はあるものの、国外での斡旋行為に対する規制が極めて緩いと世界から批判されています。山田議員は、渡航移植の申告義務化や、不透明なルートに関与した者への厳罰化など、国際指針であるイスタンブール宣言に則った法整備を政府に求めました。
また、臓器不足の根本解決策として、iPS細胞を用いた再生医療の産業化も提案しました。現在、iPS細胞製造のための血液採取が血液法により制限されている問題を指摘し、技術の優位性を確保するための法改正の必要性を訴え、質疑を締めくくりました。

