三浦小太郎氏によるご自身の FB での報告文。
1月23日、午後1時半から、参議院議員会館B107会議室にて、「中国の臓器移植を考える会( 別称 SMGネットワーク)の結成大会が開催された。司会はジャーナリストの佐波優子氏、約100名ほどが参加。

三浦小太郎氏による発足記念講演会の報告

Stop Medical Genocide! (中国の 医療虐殺を 止めろ)
「中国における臓器移植を考える会」 発足会報告
三浦小太郎(評論家)

※三浦小太郎氏のフェイスブックより転載

昨日の発足会の簡単な報告記事を、今日と明日に渡ってこのフェースブックにて公開します。撮影してくださったスタッフによる映像もYOUTUBE(文末にリンクを記載)などにて公開されると思いますので、ぜひ、そちらを聴いてみてください。(三浦)

 1月23日、午後1時半から、参議院議員会館B107会議室にて、「中国の臓器移植を考える会(別称 SMGネットワーク)の結成大会が開催された。司会はジャーナリストの佐波優子氏、約100名ほどが参加しました。

 冒頭、山田宏参議院議員が登壇、中国による残酷な臓器移植の実態を広く国民に知っていただくために、マスメディアが中々動かない中、インターネットにおいて、積極的な発言を期待したいと述べました。続いて、当会副会長の岡野俊昭氏があいさつしたのち、臓器移植の実態を伝える動画が放映されました。

 映像終了後、元カナダ国務大臣で、人権活動家でもあるデービット・キルガ―氏が登壇。キルガ―氏は、まず、参加者に対し御礼を述べたうえで、この酷い人権侵害に対し関心を持ってくださることに感謝の意を表しました。

 その上で、法輪功の修練者の臓器が本人の意思に沿わぬ臓器移植をされているということについて報告を受け、自分はデービット・マタス氏と共に調査を始めたこと、その最初の報告書はすでに本になっていることを指摘しました。

 その本は、「中国の臓器狩り」(アスペクト社)で、そこには「私の家族の一人が、法輪功学習者から臓器を収奪する事業にかかわっていました。そのためわが家は大きな苦しみを味わってきました。」というアニー(仮名)の証言が冒頭に収録されています。アニーの夫である外科医は、 蘇家屯強制収容所から送られてくる、2000人以上の法輪功学習者から、角膜をとる手術をさせられ、それに耐え切れなくなり国外に出たといいます。その病院では、生きている法輪功学習者に心臓を止める注射をし、流れ作業で、心臓、腎臓、肝臓、角膜を摘出し、最後は、ボイラーで焼却するため、 遺体は残らないという、驚くべき告発がなされています。

 その上で、中国の臓器移植のシステムを具体的に説明し、例えばある人が腎不全や肝不全のような病気になっていたとする、そうすると、海外で移植ができるという誘いがあり、15万ドルというお金を支払う、そして中国の例えば上海の病院に行って、血液検査などを行うと、そこには移植用のデータバンクがあり、それは、中国の強制収容所で働かされているような囚人たちの中から、適合できるような人からつくられたデータバンクで、その囚人を殺害したのちに臓器移植をする、確かに患者はそれで助かるかもしれないが、そのために一人の人間が殺されるのだと述べました。

 そして、イーサン・ガットマン氏がこの問題については詳しい本を書いているが、65000人の臓器がこの8年間の間に法輪功の修練者から摘出され、それだけではなく、4000から5000の臓器が、ウイグル人、チベット人、そして地下教会などの中国のマイノリティから摘出されていると述べました。

 中国共産党は、2015年の段階で、既に死刑囚からの臓器移植は停止したと公式には述べているが、これは事実とは異なる、2016年には、新たな報告書がだされ、この臓器移植は現在も継続して行われていることをキルガ―氏は強調しました。

 15000から16000、一日あたり160の臓器が移植されている、これがいま中国で起きている現状だとキルガ―氏は述べ、本日参加したラヴィ博士の行動により、イスラエルでは海外における違法な移植が中止された、日本も、この非人道的な犯罪を止めるために、台湾、ノルウエー、スペイン、またチリでも起こっている、日本も経済大国としてできることは大きいはずであり、ともにこの犯罪を止めるために行動してほしいと述べました。

 続いて、国際的な弁護士デービット・マタス氏が登壇。自分とキルガ―氏、そして、イーサン・ガットマン氏の調査により、中国は自らが公式に認めているよりもはるかに膨大な臓器移植が行われていることが分かった、公式見解では1年間に一万件ですが、自分たちの調査と計算では、この10倍を超えていることは明らかだと述べました。

 そして、臓器の出所がどこかと言えば、それは無実の囚人、大部分は法輪功修練者であり、また、決してブラックマーケットではなく、中国共産党の直接の関与によって行われていると述べました。

 まず第一に、医療部門に関する拠出金の問題があり、中国政府は、改革開放政策を取る中、国家から医療関係への拠出金を大幅に削減し、その上限を設けたが、医療従事者は、病院を維持するために資金を集めねばならないが、中国政府は、臓器移植に関しては拠出金を決して減らさない。臓器移植に必要な免疫抑制剤のような医薬品に対しても上限を決して設けないという措置を取った、こうして、医療機関が資金源を得ようとすれば臓器移植をするしかないという状況があったことを指摘しました。

 第二に、中国の軍部が大きくかかわっている問題がある、軍部は様々な企業活動をしているが、そのうちの一つが病院であり、刑務所の管理を通じ、そこが臓器の提供先となっている、自分たちの軍事病院だけではなく、民間病院にも割り当ててそこを臓器移植の場としていると指摘しました。

 第三に、国家の政策としてこの臓器移植は行われれている、二〇〇一年に法輪功が禁止されて以来、臓器移植の産業化、そして移植技術の発展というのが、中国の経済5か年計画の主導的なものとなっていることを指摘しました。

 そして、第三に関連し、臓器移植に関するプロジェクトが作られてきており、臓器移植そのものが、病院単位ではなく、国家経済世策の一環として取られていること、そして、中国の共産党幹部自身が、臓器移植を行うために何らかの障害があればそれを取り払うという形で大きく関与してきたこと、また、財政的援助を行ってきたことを指摘しました。これによって、臓器移植の対象は国家全土に広がっていき、その象徴的な一例として、王立軍のことが挙げられると述べました。

 王立軍は、警察、つまり公安部に働いていた幹部で、失脚した薄熙来の右腕と言われた人だが、その移植に関するセンターを作り、患者が臓器に対し拒絶反応を示すことを予防する研究などをさせていた、それは、囚人、禁固刑を受けている人に対し、何千人にも及ぶ人体実験を行い、臓器を取り出していった。またもう一つ、「キリング・マシーン」という、脳死を即座にもたらす機会を発明し、それで直ちに臓器を取り出せるような機械を作り出した、しかも、その機械は特許申請をされていると、まさに現代中国のブラックユーモアのような実態を述べました。

 その上でマタス氏は、中国が行っているのは、意図的、計画的な犯罪行為であり、これを世界はやめさせなければならないことを強調しました。

 続いて、イスラエルの心臓移植医のジェイコブ・ラヴィー氏が登壇。ラヴィ―氏は、まず、かってイスラエルも、2008年以前は、中国に臓器移植のためのツアーをを行っていたことに触れました。

 ラヴィ―氏自身、自分の患者が心臓病で、中国に行けば移植ができるということで行き、すると、直ちに移植手術を受けられるという体験をしました。これは元々、イスラエルであれ、またヨーロッパ、アメリカなど、日本ももちろん同様だけれども、移植を希望する患者数に比してドナーの数は絶対的に少なく、患者は国外に赴き手術を受けた、そして、その主な渡航先は中国であり「臓器移植ツアー」が行われていたと述べました。

 しかし自分は、マタス、キルガ―両氏らの報告書を読んで、事の重大さに気づき、メディアにこの問題を書いて訴えるとともに、当局に対しても、このような臓器移植に保険をかけていることが、それ自体で中国の残酷な犯罪に加担することだ、すぐにでも止めるべきだと批判したことを述べました。

 そして時間はかかったけれど、イスラエルでは新聞やテレビがこの問題を取り上げてくれ、国民がこの事実を周知するようになった、そのようなメディアの動きと国民の周知がきっかけとなり、国会で、2008年、臓器移植法が成立したことを述べ、その法律によって、渡航による臓器移植とそこでの金銭の関与を禁止、つまり、臓器を提供することに関する金銭の供与の禁止、また、移植における仲介業者の存在を禁止、そして、これらの法律に違反した時は、3年間の禁固もありうると定めたと述べました。

 これによって、いわゆる臓器売買の形での移植を禁じ、この法律によって、保険会社に対しても、海外に患者が渡航し移植を受けようとした場合、それは違法行為であると判断されれば協力しないようになっていったと、実質的に効果が上がったことが指摘されました。

 2008年以来、中国における臓器移植ツアーは事実上停止するとともに、逆に、正当なドナーの人たちが増えてきたことをラヴィ氏は指摘しました。ドナー登録をすることを様々な形で制度化し、かつ、テレビで著名人たちも訴えてくれることによって、彼らが時には「(移植は)行列に並ばなければならない、それは人命にかかわることなのだから、しかし、ドナー登録が積極的に行われれば、正しい形で患者の命も救える」というキャンペーンも行われ、大きな効果を上げたと述べました。

 そして、イギリスやカナダもこのような法制化に動いている、台湾、チリ、スペインも同様である、小さな動きからも世界全体がいい方向に行くことを自分は信じているし、日本もこの動きに参加してほしいと述べました。

 講演後、会場では様々な質疑応答が行われましたが、その中で、このような法制定において、イスラエル内の親中派政治家の妨害や、また中国政府からの抗議や圧力などはなかったのでしょうかという質問がありました。それに対しラヴィ氏は、それは全くなかった、この法律は、あくまで違法な臓器移植ツアーを取り締まるものであり、その内容でも中国を名指しして批判しているわけではない。だからこそ、中国も何ら批判はできないはずだと答えました。

 また、質疑応答の中で、2015年の中国政府の発表について再度指摘がありました。中国製の発表内容は、以下の通りです。

 「2015年1月1日から、中国では死刑囚の臓器を使用する臓器移植を全面的に廃止、国民が自らの意志で臓器の提供を申し出ることが、臓器移植の唯一の合法的手段となった。

▼中国臓器提供・移植委員会の黄潔夫(ホアン・ジエフー)主任委員のコメント
2015年8月19日までに、中国公民の生前の意志にもとづき逝去後提供された臓器は4737例、大型臓器は1万2748個に上った。うち2015年の提供例は1590例、大型臓器は4414個。現在、提供臓器数で中国はアジア首位、人口100万人あたりの提供率(PMP)は約2人となっている。逝去後の提供臓器数は、今年通年で、最高記録を更新すると予想される。中国の臓器移植は、司法的手段に即した死刑囚の臓器使用を廃止し、国民による自発的提供が唯一の合法的な臓器提供源となる方法にシフトし、法制化・規範化・国際化への道を確実に進んでいる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)」

 しかし、実はこれ以前は、中国政府は死刑囚の臓器を移植していたことすら正式には認めようとしていませんでした。今回登壇した三氏のみならず、様々な先駆者たちの調査や抗議を受け、この時点で初めて死刑囚の臓器を移植していたことを認めたうえで「今後は自発的提供での移植を行う」と述べたわけです。そして、それが自発的である根拠は今のところ全く信じがたく、むしろ、臓器移植はこの公式発表よりもはるかに多く行われていることを、講演者たちは異口同音に訴えました。

 この問題については、中国臓器収奪リサーチセンターのホームページより下記の二例を紹介します。

 2006年に国際的に注目されて以来、中国の政府と病院は、 移植件数や移植病院数が徐々に減少したかのような印象を与えるよう、公表している移植データの数を収縮させました。

 しかし、2006年以降、移植産業は成長を続けてきたことが調査で明らかになりました。臓器移植は2000年以来国家戦略の一部に組み込まれてきており、国家、軍、民間の機関が、臓器移植の研究・開発・促進に多額の投資をしてきました。病院は移植専用ベッドを増やし、病棟を新設し、より大きな建物へと移動しています。

 医療班には数多くの移植手術が求められ、日夜を問わずにこなしています。移植専門の政府幹部、黄 潔夫(おう・けつふ)は、数年のうちに169軒の認定病院を300ないし500軒にまで増やす計画があると発表しています。

 中国での臓器移植は1970年代に始まりましたが、2003年まで自発的ドナーは皆無でした。中国では2010年以前に臓器提供制度はありませんでした。国家の臓器提供制度は2014に導入されました。2015年末の段階で、中国での試験的な臓器提供・分配制度でのドナー数は、意味のある規模には至っていません。

 2006年の時点で、親族間の生体腎移植は極めて珍しいものでした。中国の衛生省はこのような移植を奨励するより制限することを繰り返し提案してきました。親族間の移植手術のほとんどは虚偽です。
中国での大量の臓器件数に比べ、自発的ドナーは取るに足らない数です。

 最後に、当日参加していた日本ウイグル協会会長のイリハム・マハムティ氏は、現在、ウイグルにおいても全住民に対する事実上強制的な血液検査、DNAデータ採取が行われていること、また、何ら政治活動をしたわけでもないウイグル人の若者が多数当局により行方不明になっており、彼等もまた臓器移植のターゲットにされていることを指摘するとともに、今ウイグル人が置かれている状況もまさにジェノサイドというべきものであることを訴えました。

 なお、この集会には城内実議員も参加、これを人権問題として積極的に国会内でも訴えていくことを語り、集会は午後4時にいったん閉会となりました。その後も、参加していた地方議員などによる積極的な意見交換や交流が行われたとのことです。簡単ではありますが、以上を持ちまして報告といたします。

(文責;三浦小太郎)

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転載元リンク
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