【アクシデント】習近平党首とプーチン大統領の私的会話 CCTVで生放送 臓器移植を「不老不死」「若返り」と位置づけ

習近平党首,プーチン大統領,金正恩委員長の会話音声が生放送で流れた

 中国共産党の習近平党首とロシアのプーチン大統領が、臓器移植技術を不老不死や若返りのためのツールとして語り合っていた会話が、3日、CCTVの生中継で偶然に放送された。専制体制のトップらの健康に関する私的会話が漏れることは非常にまれ。

 臓器移植を難病患者の治療技術ではなく、自身らの「不死」の手段として認識していることが露わになった。ブルームバーグなどが報じた。

 アクシデントは3日に起こった。北京で行われた第二次世界大戦終結80周年を記念した軍事パレードに参列する習主席、プーチン大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長らが天安門広場に向かう最中、CCTVのマイクが会話の一部を拾った。

 通訳を通じてプーチン大統領は「生物科学技術の発展で臓器の入れ替えが可能となり、人はより若々しくいられるようになった。もはや永久の命さえも」と述べた。続いて朝鮮語通訳が「臓器移植は…」と触れたところで、習主席が中国語で「今世紀には人の寿命は150歳まで延びるかもしれない」と応じ、笑い声が響いた。

 この音声は中国国営CCTVの生放送で流れた直後、X上で即座に共有され始めた。例えば、ユーザーの@2022meimei3は「臓器仕入れはウイグル人やロシアが占領した地域の被害者でしょうか」と投稿、多数のいいねを集めた。 また、@MJTruthUltraは動画付きで「興味深い…習近平とプーチンがバイオテクノロジーを用いた不老不死の可能性について議論している」と指摘し、会話の不気味さを強調した。

 豪ABCの取材に応じた中国専門家・馮崇義氏は「歴史的に独裁者は不死を求めてきたが、中国ではこの伝統はさらに長い」と述べ、「不老不死の追求において手段を選ばない」と指摘した。

 人権団体は、この会話が中国国内での強制臓器摘出問題を象徴すると警鐘を鳴らす。アムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチによると、中国では法輪功学習者やウイグル人など少数派が政治犯として拘束され、臓器を強制的に摘出されるケースが報告されている。これらの臓器は、富裕層や権力者向けの移植市場に回されるとの疑惑が長年指摘されてきた。

 今回の漏洩は、習政権がこうした技術を一般国民の医療進歩ではなく、共産党エリートの延命策として優先している証拠だと指摘されている。いっぽう、中国共産党は一連の「臓器狩り」疑惑について否定している。