2019.11.30【東京大学 山上会館】臓器濫用及び、移植ツーリズムについて考える-国際シンポジウム開催のお知らせ
アジア各国は文化的、宗教的な影響で、臓器提供(ドナー志願者)の比率が欧米諸国と比べてはるかに低く、移植手術までの待機時間が長期に及ぶ場合も少なくありません。そのため、アジアの患者(日本人を含む)の多くは中国、パキスタン、フィリピンなど、受け入れ体制の未整備な国に渡航して移植手術を受けるケースが後を絶ちませんでした。
このような現況下、臓器の闇売買、ブローカーによる臓器移植ツアーや違法病院の仲介、あるいは、良心の囚人から本人の意思に反しての臓器収奪など、さまざまな問題が生じ、国際社会で問題視されるようになりました。
近年、特に2008年のイスタンブール宣言以降、世界の医学界と法曹界は、徐々にではありますが、国外での臓器移植手術について共通認識を形成しつつあります。2010年のマドリード決議では、「各国政府は移植臓器の自給自足を促し、移植ツーリズムを制限する責任がある」と強調しました。また、イスラエルや台湾、イタリア、スペイン……等の国々では渡航移植に関して新たな施策を講じ、臓器移植ツーリズムを大幅に減少させると同時に国内の臓器供給数を増やすことに成功しています。
このたび、アジアにおける臓器濫用及び移植ツーリズムの状況とその問題点を提起し、今後の法改正について意見交流を行うため、下記の通りシンポジウムを開催することになりました。
記
日時 令和元年11月30日(土) 9:15~17:00
会場 東京大学 山上会館 大会議室
共催 (日)移植ツーリズムを考える会 SMGネットワーク
(台)TAICOT(台湾国際臓器移植関懐協会)
(韓)KAEOT(Korean Association for Ethical Organ Transplants)
大韓辯護士協会 高麗大学校 国際人権センター
協賛
(日)移植倫理研究会
(韓)Human Asia テレビ朝鮮 調査報道7報道局
(台)国立台湾大学 生医倫理センター
〈プログラム〉
時間:11月30日(土)9:15~17:00
会場:東京大学(本郷キャンパス) 山上会館 大会議室
(9:25 ~ 9:55 )
第一部 2008年イスタンブール宣言及びそれ以降の世界情勢
(カナダ)デービッド・マタス(人権弁護士・カナダ勲章受章者、2010年ノーベル
平和賞候補者)
(9:55 ~ 12:00 )
第二部 アジアにおける臓器売買及び移植ツーリズムの状況
<座長> 蔡甫昌(台湾大学、医学部教授)
(日)野村旗守(ジャーナリスト)
(日)小川由英(琉球大学、名誉教授、移植外科医)
(台)黄士維(台湾大学、附属病院泌尿器科医師)
(韓)韓煕哲(高麗大学校、医学部教授)
(韓)金賢哲(テレビ朝鮮、プロデューサー)
(12:50 ~ 13:40 )
第三部 臓器売買及び移植ツーリズムにおける倫理学問題
<座長> 韓煕哲(前掲)
(台)蔡甫昌(前掲)
(韓)金昭允(延世大学校、医学部医学倫理学教授)
(13:40 ~ 15:30 )
第四部 アジア主要諸国の臓器売買及び移植ツーリズムに対する法律改正の状況
<座長> 朱婉琪(米国ニューヨーク州弁護士)
(台)朱婉琪(前掲)
(韓)金松(京幾道水原地方裁判所、裁判官)
(カナダ)デービッド・マタス(前掲)
(15:40 ~ 16:20 )
第五部 パネルディスカッション
*テーマ・講師及び時間配分については予告なく変更する場合がります。ご了承ください。
何かとお忙しい事とは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご参加下さいますようお願い申し上げます。
敬具
令和元年10月吉日
(お問合せ先) 移植ツーリズムを考える会
〒108-0075 東京都港区港南4-7-1-1206
Tel: 050-5360-2345 Email: info@stop-oh.org